アルカリ度

最終更新日: 2026-09-05

アルカリ度

(1) アルカリ度は「いま何pHか」ではなく、水が酸をどれだけ中和できるかという能力を見る指標です。硝化が進むとアルカリ度が消費されるため、pH・窒素形態・DO・運転条件と組み合わせて評価します。

(2) アルカリ度は、炭酸水素塩・炭酸塩・水酸化物等に由来する酸中和能力を表す指標です。一般に、対応する炭酸カルシウム(CaCO3)換算の濃度(mg/L as CaCO3)で表します。

(3) pHはその時点の酸性・アルカリ性の状態を表し、アルカリ度は酸が加わったときに中和できる余力を表します。同じpHでもアルカリ度が異なることがあるため、pHが中性付近というだけで緩衝余力が十分とは断定しません。

(4) アルカリ度は、試料へ酸を加えて所定のpHまで中和するのに要した酸量から求める考え方です。資料によってPアルカリ度、総アルカリ度(Tアルカリ度・Mアルカリ度)等を区別するため、どのアルカリ度を測った値かと単位を確認します。

(5) 硝化が進むとアルカリ度は消費されます。流入アルカリ度が小さい、または硝化による消費が大きい条件ではpHが低下し、硝化反応そのものが不安定になることがあります。アンモニア性窒素・亜硝酸性窒素・硝酸性窒素、DO、負荷、循環等も合わせて確認します。

(6) pH低下だけから「アルカリ度不足が唯一の原因」とは決めません。酸性・アルカリ性物質の流入、薬品影響、負荷変動、測定条件なども確認します。

(7) アルカリ度不足が処理機能へ影響し、対象方式の維持管理要領でアルカリ剤補給やpH調整が想定されている場合は、薬品種類・濃度・注入設備・設定値を確認して調整します。全国一律の固定添加量は設定しません。

(8) 水酸化ナトリウム等の強アルカリ剤は腐食性薬品です。補給・調整ではラベル・SDS、設備の取扱要領を確認し、必要な保護具を用います。水質上の必要量判断と薬品取扱いの安全を分けて確認します。

(9) アルカリ剤を補給した場合も、pH・アルカリ度と窒素形態等を再確認し、硝化状態が安定したかを記録します。過剰補給によるpH上昇も避けます。

試験での見分け方

  • (10) 「pHが同じならアルカリ度も同じ」→ 誤り。
  • (11) 「硝化が進むほどアルカリ度が増える」→ 誤り。硝化はアルカリ度を消費する方向に働きます。
  • (12) 「pHが下がったら他項目を確認せず直ちにアルカリ剤を足す」→ 誤り。
  • (13) 「薬品種類・濃度・機種に関係なく全国一律量を添加する」→ 誤り。

責務境界

  • alkalinity: JOK-WQ-019の定義、pHとの違い、硝化による消費、補給判断を扱う。
  • ph: pHの尺度・測定・法定検査上の扱いを扱う。
  • nitrogen-compounds / total-nitrogen-removal: 窒素形態と窒素除去を扱う。

アルカリ度に関する問題