浄化槽の計算問題とは
浄化槽試験では、水質改善効果、処理能力、汚泥負荷などを定量的に評価する計算問題が頻出です。主にBOD関連の計算と、流入・放流水質を用いた基本的な割合・比率計算が中心となります。
よく出る計算と解き方
- (1) BOD負荷量の詳細な計算正典は
pollutant-load。 BODも汚濁物質の一つとして、濃度と対応流量から質量/時間へ換算する。流入水量100m³/日、流入BOD 250mg/Lなら25kg-BOD/日であり、100×250=25,000mg/日とはしない。既存問題の引用互換のため本anchorを入口として残し、mg/L×m³/日→kg/日、流入・流出負荷、除去量の詳細はJOK-WQ-027で扱う。
- (2) 平均滞留時間 = 処理槽容量(m³)÷1日流入水量(m³)
例:容量10m³、流入2m³/日 → 10÷2 = 5日
- (3) 汚泥発生量(概算) ≒ 除去BOD量×汚泥転換率
汚泥転換率は設計資料では0.4〜0.6程度の範囲で使われることが多いが、一律に決まった値ではなく、処理方式・汚泥の自己酸化(内生呼吸)の程度・維持管理状況によって変わる。試験では与えられた係数を使って計算する前提のことが多い。
- (4) 処理効率 = (処理前値−処理後値)÷処理前値×100(%)
BOD以外の指標(SS、T-N、T-P等)にも同じ式が適用される
- (5) 循環比(循環率) = 循環水量÷流入水量
例:循環200m³/日、流入50m³/日 → 200÷50 = 4(400%)。窒素除去の運転管理で用いる
JOK-OV-025:単位・濃度・流量の基礎
(6) 試験計算では、まずSI単位と問題文で指定された単位をそろえてから数値を代入します。
(7) kg は質量の単位、N は力の単位であり、質量と力を同じ量として扱いません。
(8) 圧力のSI単位 Pa は N/m² です。
(9) 代表的なSI接頭語は k=10³、c=10⁻²、m=10⁻³、µ=10⁻⁶ です。
(10) 1 m³ = 1000 L なので、L/min を m³/h へ直すときは ×60÷1000 とします。
(11) 1 kg = 1000 g、1 g = 1000 mg、1 mg = 1000 µg です。
(12) mg/L は単位体積当たりの質量を表す濃度単位で、流量と掛けて質量/時間へ換算するときはLとm³、mgとkgの換算を同時に確認します。
(13) 重量キログラム kgf は旧来用いられた力の単位で、標準重力加速度を用いると 1 kgf = 9.80665 N です。
(14) kgf/cm² は力を面積で割った旧来の圧力単位で、1 kgf/cm² = 98.0665 kPa = 0.0980665 MPa です。
(15) 10 kgf/cm² = 0.980665 MPa なので、実務上の概算として「約1 MPa」と見積もることはできますが、厳密な等号ではありません。
(16) kgf 単独は力であり、kgf/cm² のように面積で割って初めて圧力の単位になります。
覚え方・ひっかけ
BOD除去率は bod-removal-rate を原本とする。BOD・汚濁負荷量は pollutant-load を原本とする。その他の計算問題では「単位の統一」が大きなひっかけになる。mg/Lとμg/Lの混在、m³とLの換算、「1日」と「1時間」の混同に注意し、計算前に単位をそろえる。
kgとkgfを同じ単位としない。kgfとkgf/cm²を同じ量としない。10 kgf/cm² ≒ 1 MPaは暗算用の概算で、厳密換算ではない。
出典・参考(2026-09-03確認)
- 産業技術総合研究所 計量標準総合センター「圧力真空標準研究グループ」
- https://unit.aist.go.jp/riem/pv-std/information.html
1 Pa = 1 N/m²、1 kgf/cm² = 98066.5 Pa、標準重力加速度9.80665 m/s²に基づく旧圧力単位との換算を確認。- 産業技術総合研究所 計量標準総合センター「国際単位系(SI)とは」
- https://unit.aist.go.jp/nmij/library/si-units/
- SI単位・接頭語の記述規則を確認。
- 環境省 化学的酸素要求量に係る汚濁負荷量の測定方法(
L=C・Q×10^-3、L=kg/日、C=mg/L、Q=m³/日の単位関係) - 国土交通省 国土技術政策総合研究所 下水道関連資料編:発生汚泥量の検証(除去BODの汚泥転換率の考え方・代表的な範囲)
- 環境省 浄化槽関連情報(浄化槽行政の所管)
※BOD除去率は bod-removal-rate、BOD・汚濁負荷量は pollutant-load へ原本責務を移管した。calculation#bod-load は既存問題のquote互換用入口としてのみ残す。滞留時間・循環比など残る計算項目は、それぞれのcoverage単位で順次再grillする。