化学処理

最終更新日: 2026-09-05

化学処理

(1) 化学処理は、薬品添加や化学反応によって水中成分の化学的状態を変え、除去しやすい状態または目的の水質へ導く処理です。

(2) 中和は、酸またはアルカリを加えて酸性・アルカリ性を調整し、目的のpH範囲へ近づける化学処理です。

(3) 凝集は、凝集剤等を用いて微細粒子やコロイド粒子を集まりやすいフロックへ変える化学・物理化学的な操作です。

(4) コロイド粒子などの微細な粒子は、そのままでは沈殿等で分離しにくいため、凝集によってより大きなフロックへまとめて後段の固液分離へつなげます。

(5) 凝集沈殿処理の一例では、無機凝集剤を加えて急速撹拌した後、高分子凝集剤を加えて緩速撹拌し、粒子を集塊させて沈降性を高めます。

(6) 代表的な無機凝集剤には、硫酸アルミニウム、PAC(ポリ塩化アルミニウム)などのアルミニウム塩と、ポリ硫酸第二鉄、塩化第二鉄(塩化鉄(III))などの鉄塩があります。

(7) 高分子凝集剤にはアニオン系やノニオン系などがあり、粒子をさらに集塊させてフロックの沈降分離性を高めるために用いられることがあります。

(8) 凝集で生じたフロックを沈殿または浮上で水から分ける段階は、物理的な固液分離です。

酸化・還元との関係

酸化剤・還元剤を使う処理も化学処理に含まれますが、電子授受、酸化数、酸化剤・還元剤の基礎と、硝化・脱窒・COD・消毒を酸化還元として読む共通原理は redox-basics で扱います。

(9) 薬品注入は処理目的を達成するための手段であり、薬剤の種類や注入量は対象水質と反応条件に応じて管理します。

(10) 塩素などの薬剤による消毒は化学作用を利用する処理ですが、病原体・接触時間・残留塩素などの消毒固有知識は disinfection で扱います。

(11) 処理薬品はラベルやSDSで危険有害性を確認し、リスクアセスメントに基づいて取り扱います。

凝集剤の代表例

  • PAC(ポリ塩化アルミニウム): アルミニウム系の無機凝集剤。
  • 硫酸アルミニウム: アルミニウム系の無機凝集剤。
  • ポリ硫酸第二鉄: 鉄系の無機凝集剤。
  • 塩化第二鉄(塩化鉄(III)): 鉄系の無機凝集剤。
  • 高分子凝集剤(アニオン系・ノニオン系等): 微細な粒子をさらに集塊させ、フロックを大きくして分離しやすくするために用いられることがある。

凝集剤は名称だけでなく、「コロイド・微細粒子をフロック化して、後段の沈殿・浮上等で分離しやすくするために使う」と処理目的まで結び付けて覚えます。薬剤の種類や注入率は対象水の性状に応じて選定・調整します。

代表作用の見分け方

  • 酸性・アルカリ性を調整する → 中和
  • コロイド・微細粒子をフロック化して後段で分離しやすくする → 凝集
  • 酸化剤・還元剤で化学形態を変える → 酸化・還元処理(基礎は redox-basics)
  • 塩素などの薬剤で病原性微生物を不活化する → 化学作用を利用する消毒

他タグとの責務境界

  • chemical-treatment: 化学処理という分類、中和・凝集・薬品注入と、凝集剤の基本を扱う。
  • redox-basics: 電子授受、酸化数、酸化剤・還元剤、酸化・還元処理を読む共通基礎を扱う。
  • physical-treatment: 凝集後のフロックを沈殿・浮上で分離する機構を扱う。
  • JOK-ST-039: リン除去型浄化槽における凝集剤設備・方式固有の構造と管理を扱う。
  • JOK-WQ-019等: pH・アルカリ度の測定、硝化との関係、薬品補給の運転判断を扱う。
  • disinfection: 消毒の目的、病原体、塩素、接触時間、残留塩素等を扱う。

覚え方・ひっかけ

  • 薬品を入れたこと自体が目的ではなく、化学反応で何を変えるかを見る。
  • コロイド粒子は微細でそのままでは分離しにくく、凝集でフロック化して沈殿・浮上等につなげる。
  • 凝集という化学的作用と、その後の沈殿・浮上という物理分離を同じ作用として扱わない。

出典・参考(2026-09-05確認)

化学処理に関する問題