微生物増殖速度とMonod式
基質濃度と比増殖速度
(1) 生物処理では、微生物の比増殖速度は基質濃度に対して無制限に比例するわけではありません。基質濃度と比増殖速度の代表的な近似として Monod式 が用いられます。
(2) 比増殖速度を μ、最大比増殖速度を μmax、基質濃度を S、半飽和定数を Ks とすると、基本形は μ = μmax × S / (Ks + S) です。
(3) S が小さい領域では、基質濃度の変化が比増殖速度へ相対的に大きく影響します。
(4) S が十分大きくなると μ は μmax に近づき、基質を増やしても比増殖速度の増加は次第に小さくなります。
(5) S = Ks のとき、Monod式から μ = μmax / 2 となります。このため Ks は半飽和定数と呼ばれます。
(6) Ks は最大比増殖速度そのものではなく、基質濃度側の定数です。
実槽への適用境界
(7) Monod式は飽和形をとるため、基質濃度が2倍になれば比増殖速度も必ず2倍になる、とは限りません。
(8) Monod式は基質濃度との基本関係を表すモデルであり、実際の浄化槽内では酸素、pH、水温、阻害物質、生物量等も反応へ影響します。槽内状態を基質濃度だけで完全に説明する式ではありません。
出典・参考
- 日本水処理生物学会誌「遺伝子組換え細菌と親株細菌の相互作用に関する研究」
- Monod式による基質濃度と比増殖速度の関係を確認。
- https://www.jstage.jst.go.jp/article/jswtb1964/29/1/29_1_39/_pdf/-char/ja
- 環境技術「生活排水処理に関する諸問題」
- 生活排水処理の反応槽動力学としてMonod式を確認。
- https://www.jstage.jst.go.jp/article/jriet1972/13/4/13_4_283/_pdf