微生物増殖速度と基質濃度
(1) 生物処理では、微生物の増殖速度は基質濃度に対して無制限に比例するわけではありません。代表的な近似としてMonod式が使われます。
Monod式の形
比増殖速度を μ、最大比増殖速度を μmax、基質濃度を S、半飽和定数を Ks とすると、基本形は次のように表されます。
μ = μmax × S / (Ks + S)
Sが小さい領域では、基質濃度の変化が増殖速度へ大きく影響する。Sが十分大きくなると、μはμmaxに近づき、基質を増やしても増殖速度は頭打ちになる。S = Ksのとき、μ = μmax / 2となる。
浄化槽での読み方
この式を暗記するだけでなく、基質不足、酸素不足、pH・水温等の環境条件を区別します。Monod式は基質濃度と増殖速度の基本関係を表すモデルであり、実際の槽内反応を単一要因だけで完全に説明するものではありません。
試験のひっかけ
- 基質濃度が2倍なら増殖速度も必ず2倍、ではない。
Ksは最大増殖速度そのものではない。- 高基質濃度では増殖速度が飽和へ近づく。
出典・参考
- 日本水処理生物学会誌「遺伝子組換え細菌と親株細菌の相互作用に関する研究」:Monod式による基質濃度と比増殖速度の関係
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jswtb1964/29/1/29_1_39/_pdf/-char/ja
- 環境技術「生活排水処理に関する諸問題」:生活排水処理の反応槽動力学としてMonod式を整理
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jriet1972/13/4/13_4_283/_pdf