硫黄細菌

最終更新日: 2026-09-03

硫黄細菌

(1) 「硫黄細菌」は硫黄化合物の変換に関わる細菌を広く捉えた呼び方で、硫黄を酸化する側と、硫酸塩を還元して硫化物を生じる側を同じ働きとして扱うことはできません。

(2) 硫黄酸化細菌は、硫化水素(H₂S)などの還元型硫黄化合物を酸化し、硫酸塩など、より酸化された形へ変換する反応に関わります。

(3) 硫黄化合物の酸化は酸素が得られる場所で進みやすく、嫌気的な場所で生じた硫化物が好気的な場所へ移ると、その境界付近で硫黄酸化が起こることがあります。

(4) 硫酸塩還元菌は、酸素が乏しい条件で硫酸塩を還元して硫化物を生じ得る微生物群であり、硫黄酸化細菌とは硫黄化合物を変換する反応の向きが異なります。

(5) 硫化水素は腐卵臭の原因となる物質で、汚水が嫌気的になると微生物による硫酸塩還元などを経て生じることがあります。

(6) 生じた硫化水素が湿潤した好気的な表面で微生物により硫酸へ酸化されると、局所的な強い酸性化を起こし、下水・汚水設備ではコンクリート腐食の一因になり得ます。

(7) 浄化槽の通常のBOD除去では生分解性有機物を分解する細菌が中心であり、硫黄細菌は主役というより、臭気、酸化還元状態、硫黄循環、腐食を理解するために押さえておくと役立つ微生物群です。

(8) 硫化水素臭や白色・黄色の付着物などの外観だけで特定の硫黄細菌の存在を断定することはできず、酸素状態、硫黄化合物、発生場所なども併せて考える必要があります。

覚え方・ひっかけ

  • 「硫黄細菌=硫化水素を作る菌」と一括りにしない。硫化物を生じる硫酸塩還元側と、それを酸化する硫黄酸化側は反応の向きが異なる。
  • 硫化水素の発生とコンクリート腐食は同じ反応ではない。嫌気側で硫化物が生じ、その後に好気的な湿潤表面で酸化されると硫酸腐食へつながり得る。
  • 「臭いがある=硫黄酸化細菌が作った」とは限らない。硫黄酸化細菌はむしろ還元型硫黄化合物を酸化する側にいる。

出典・参考(2026-09-03確認)

硫黄細菌に関する問題