嫌気性分解とメタン生成
(1) 嫌気性分解は、酸素のない条件で微生物が有機物を分解する生物学的プロセスです。代表的な最終生成物としてメタン(CH4)と二酸化炭素(CO2)が生じます。
分解は段階的に進む
嫌気性分解では、複雑な有機物が一度にメタンへ変わるわけではありません。概念的には、加水分解・酸生成を経て低分子化し、酢酸や水素・二酸化炭素などを経由して、最後にメタン生成菌によるメタン生成へ進みます。
試験では、好気性分解との違いと、メタン生成が嫌気性分解の代表的な終末反応であることを結び付けて理解します。
簡略化した量論
グルコースを有機物のモデルとした代表的な簡略式は、次のように表せます。
C6H12O6 → 3CH4 + 3CO2
この式では、炭素・水素・酸素の原子数が反応前後で一致します。したがって、分子量や物質量を使ったメタン生成量の計算問題へ展開できます。
ただし、実際の汚水は単一のグルコースではなく、微生物細胞の合成や他の反応も起こります。簡略式から求めた値を、そのまま実施設の実測ガス発生量とみなしてはいけません。
試験のひっかけ
- 嫌気性分解のすべてが直ちにメタン生成になるわけではない。
- 嫌気性処理は酸素供給を必要としないが、ポンプや撹拌等の動力まで不要という意味ではない。
- 量論計算では、式を暗記するだけでなく原子数と分子量を確認する。
出典・参考
- 国立環境研究所「嫌気性処理技術を用いた汚水の省エネルギー浄化」