JOK-WQ-031:放流水質基準・処理性能値
(1) 放流水の数値を判定するときは、①浄化槽法上の放流水質基準、②建築基準法上の処理性能・大臣認定等でその型式に求められる性能、③水質汚濁防止法や地方公共団体の条例等でその施設・放流先に適用される基準、④採水位置・平均値・測定方法などの評価条件を分けて確認する。1つの数値だけを全国すべての浄化槽へ無条件に当てはめない。
(2) 環境省が示す浄化槽法上の放流水質基準は、適用対象となる浄化槽について 放流水のBOD 20 mg/L以下 かつ BOD除去率90%以上 である。20 mg/L以下と90%以上は「どちらか一方を満たせばよい」という選択条件ではない。
(3) この放流水質基準は2006年2月1日の改正施行に伴って導入され、環境省通知では、みなし浄化槽や改正施行前から設置されている浄化槽等には当該新基準を適用しない経過措置が示されている。既設槽を含む個別施設の判定では、設置時期・法的位置づけを確認して適用範囲を決める。
(4) 環境省通知では、上記BOD基準値を日間平均値として扱い、消毒槽等に入る直前の処理水を採取して所定の方法で測定する考え方が示されている。測定場所や評価時間が異なる値を、そのまま同じ基準値と比較しない。
(5) 建築基準法上の汚物処理性能や国土交通大臣認定は、構造方法・型式が法令上要求される性能を満たすかを確認する制度上の性能条件であり、浄化槽法上の放流水質基準と同じ概念ではない。実施設では、その型式の認定書・仕様書・維持管理要領に示された処理性能を確認し、全国一律の値へ置き換えない。
(6) 国土交通省の大臣認定制度では、申請された構造方法等について指定性能評価機関の性能評価を受け、法令が要求する性能への適合を確認したうえで大臣認定を受ける。認定性能は個別の認定内容に従って確認し、「ある型式の厳しい性能値がすべての浄化槽の法定放流水基準になる」とは扱わない。
(7) 水質汚濁防止法の適用を受ける施設・地域や、地方公共団体が上乗せ排水基準等を定めている場合は、浄化槽法上のBOD基準だけで適否を完結できないことがある。対象施設、放流先、区域、項目ごとに適用される追加・より厳しい基準を確認する。
(8) 実務上は、まず施設の設置時期・処理対象人員・型式・放流先・地域を確認し、適用法令、認定書・仕様書、自治体の条例・要綱等を照合して「どの基準の、どの項目を、どの測定条件で比較するか」を確定してから水質値を判定する。
WQ-031の試験での見分け方
- (9) 「BOD 20 mg/L以下または除去率90%以上のどちらか一方を満たせば浄化槽法上の放流水質基準を満たす」→ 誤り。適用対象では両方を確認する。
- (10) 「設置時期や法的位置づけに関係なく、すべての既設浄化槽へ2006年導入の基準を同じように適用する」→ 誤り。経過措置と適用範囲を確認する。
- (11) 「ある認定型式の処理性能値が厳しければ、その値が全国すべての浄化槽の法定放流水基準になる」→ 誤り。認定性能と一般の放流水質基準を区別する。
- (12) 「浄化槽法上のBOD 20 mg/L以下を満たせば、水濁法や条例等のより厳しい基準は確認しなくてよい」→ 誤り。適用される追加・上乗せ基準を確認する。
出典・参考(2026-09-02確認)
- 環境省 浄化槽法の一部を改正する法律の施行について(BOD 20 mg/L以下、BOD除去率90%以上、適用除外・測定条件)
- 環境省 環境省関係浄化槽法施行規則の一部を改正する省令の公布について(放流水質基準、2006年2月1日施行)
- 国土交通省 建築基準法に基づく構造方法等の認定(性能評価と大臣認定の制度)
- 環境省 浄化槽に係る水質規制の適用範囲の拡大について(水質汚濁防止法の適用・上乗せ排水基準)