有機態リンとは
(1) 有機態リンは、生物体や有機物に含まれるリンなど、有機化合物の形で存在するリンを指します。無機態リンとは別の分類です。
(2) 全リン(T-P)は、有機態リンと無機態リンを含むリン化合物全体の総量です。したがって、有機態リンはT-Pの一部です。
(3) 「有機態 / 無機態」と「溶存態 / 粒子態」は別の分類軸です。有機態リンにも溶存性・粒子性があり得るため、有機態 = 粒子態 と固定して考えません。
水処理でどう動くか
(4) 有機態リンは、生物学的な分解・無機化を通じて無機態リンへ移ることがあります。逆に、生物が無機態リンを取り込めば、生物体・汚泥側の有機態リン等として保持されることがあります。
(5) 生物処理や固液分離ではリンが汚泥側へ移るため、処理水のリン濃度だけでなく、汚泥流出や余剰汚泥の引抜きもリン収支に関係します。
(6) 有機態リンはBODやCODと同じ指標ではありません。有機物に関連する概念でも、ここで見ているのはリン元素の存在形態です。
試験での見分け方
- (7) 「有機態リン = 全リン」→ 誤り。T-Pは無機態リンも含みます。
- (8) 「有機態リンは必ず粒子性」→ 誤り。有機/無機と溶存/粒子は別軸です。
- (9) 「有機態リンはBODと同じ有機物指標」→ 誤り。
関連
出典・参考(2026-09-04確認)
- 国土交通省「ダム貯水池水質改善の手引き」リン(T-P、PO4-P) https://www.mlit.go.jp/river/shishin_guideline/dam/pdf2/damtyosuichisuisitukaizentebikiH30.pdf
- 国土交通省 関東地方整備局 霞ヶ浦河川事務所「水質用語集」 https://www.ktr.mlit.go.jp/kasumi/kasumi00012.html
- 国土技術政策総合研究所 研究資料(有機態リン・無機態リンの水質モデル上の整理) https://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/tnn/tnn0298pdf/ks0298.pdf