酸素要求量の量論

最終更新日: 2026-09-05

酸素要求量の量論

(1) 理論酸素要求量は、有機物の酸化や硝化に必要な酸素量を、反応式と分子量から求めた量です。ばっ気槽の実際の送気量そのものではありません。

元素記号、化学式の下付き数字、イオン電荷、分子量・式量の読み方は chemistry-notation で扱います。この項目では、それらを前提として反応式から理論酸素量を求めます。

反応式から酸素量を求める

(2) 量論問題では、まず対象となる反応を確認し、反応式の係数と各化学種の分子量・式量を使って質量比へ換算します。化学式の右下の数字(1分子・1式単位中の原子数)と、反応式の前に置く係数(反応する粒子数の比)は別物です。

硝化を単純化すると、アンモニウムから硝酸までの酸化は次の総括式で表せます。

NH4+ + 2O2 → NO3- + 2H+ + H2O

(3) 窒素14 gに対してO2は64 g必要なので、理論上はアンモニア性窒素1 g-Nの硝化に約4.57 g-O2が対応します。

有機物の酸化では、物質の化学式や問題で与えられたBOD・負荷量に応じて考えます。硝化の4.57という係数を有機物酸化へ流用してはいけません。

理論値と実運転を分ける

(4) 実際のばっ気設備では、微生物細胞の合成・内生呼吸、処理水質、槽内DO、酸素移動効率、散気装置の状態などが関係します。そのため、化学量論から求めた酸素量と、必要送風量・実際の消費電力は別の概念です。

試験のひっかけ

  • 反応式の係数と化学式の下付き数字を混同しない。化学式の読み方は chemistry-notation で確認する。
  • NH4-N の質量はアンモニウムイオン全体の質量ではなく、窒素としての質量を表す。
  • 理論酸素量と実際の送風量を同一視しない。
  • BOD負荷、窒素負荷、O2量の単位をそろえてから計算する。

責務境界

  • oxygen-demand-stoichiometry: 反応式の係数・質量比から理論酸素量を求める量論を扱う。
  • chemistry-notation: 元素記号、化学式の下付き数字、イオン電荷、分子量・式量の入口を扱う。
  • nitrogen-compounds: NH4-N、NO2-N、NO3-Nなど窒素形態の水質上の意味を扱う。
  • microbial-growth-kinetics: 微生物の増殖速度・反応速度を扱う。
  • gas-properties-safety: CH4、CO2、H2S等を槽内安全・気体物性の文脈で扱う。

出典・参考

  • 国立環境研究所「嫌気性処理技術を用いた汚水の省エネルギー浄化」:好気性処理での有機物分解と酸素供給の関係

https://www-cycle.nies.go.jp/magazine/kenkyu/201305.html

  • 国立環境研究所「分散型の生活排水対策としての浄化槽」:硝化・脱窒の処理経路

https://www.nies.go.jp/pr/publications/news/26/26-2/26-2-04.html

酸素要求量の量論に関する問題