瀬戸内海環境保全特別措置法
臨時法から恒久法へ
(1) 瀬戸内海環境保全臨時措置法(昭和48年法律第110号)は1973年10月2日に公布され、同年11月2日に施行されました。瀬戸内海の急速な水質汚濁・赤潮等を背景に、水質汚濁防止法に加える特別措置を導入した時限法でした。
(2) 1978年の瀬戸内海環境保全臨時措置法及び水質汚濁防止法の一部を改正する法律(昭和53年法律第68号)により失効規定が削除され、法律は恒久法化されて瀬戸内海環境保全特別措置法へ改称されました。主要な施行時点は1979年6月12日です。
(3) 恒久法化時には、基本計画、特定施設の設置規制、富栄養化による被害防止、自然海浜保全等の特別措置が制度として位置付けられました。同じ1978年改正で水質汚濁防止法に水質総量規制も導入されており、両制度は閉鎖性海域対策として接続します。
水質汚濁防止法との関係
(4) 瀬戸内海区域では、対象となる特定施設について水質汚濁防止法の届出制度より強い設置・構造等の許可制度が設けられています。ただし施設種別・規模等によって適用関係が異なるため、「瀬戸内海区域の浄化槽はすべて許可対象」と一般化しません。
(5) 1990年の制度拡張では、処理対象人員201〜500人のし尿浄化槽が瀬戸内海区域で水質汚濁防止法上の指定地域特定施設とみなされる仕組みが整備されました。この201〜500人槽については、同改正通知上、瀬戸内海法第5条の設置許可対象とはならない点に注意します。
(6) 501人以上のし尿浄化槽は水質汚濁防止法上の特定施設として扱われるため、201〜500人槽の指定地域特定施設とは制度上の入口が異なります。実際の許可・排水規制の適用は区域、施設、排水量等を確認します。
(7) 瀬戸内海法は水質総量規制だけを定める法律ではありません。基本計画、許可、富栄養化対策、自然海浜、生物多様性・生産性、近年の栄養塩類管理等を含む総合的な特別法です。
試験での見分け方
- 1973年 = 臨時措置法。
- 1978年改正 = 恒久法化・現名称 + 富栄養化対策等、水濁法側では総量規制導入。
- 瀬戸内海区域では特定施設の設置等に許可制度がある。
- 201〜500人槽は1990年から指定地域特定施設として接続するが、同通知上は瀬戸内海法5条許可対象ではない。
- 501人以上と201〜500人では水濁法上の施設区分が異なる。
出典・参考(2026-09-06確認)
- 環境省「瀬戸内海環境保全臨時措置法の施行について」
- https://www.env.go.jp/hourei/05/000154.html
- 環境省「瀬戸内海環境保全臨時措置法及び水質汚濁防止法の一部を改正する法律の施行について」
- https://www.env.go.jp/hourei/05/000150.html
- 環境省「浄化槽に係る水質規制の適用範囲の拡大について」
- https://www.env.go.jp/hourei/11/000226.html
- 環境省「水質汚濁防止法等の一部を改正する法律の施行について」
- https://www.env.go.jp/hourei/05/000130.html
- 環境省「せとうちネット:瀬戸内海環境保全特別措置法に基づく対策」
- https://www.env.go.jp/water/heisa/heisa_net/setouchiNet/seto/g2/g2cat03/tokusohou/index.html