使用開始初期の立上げとは
(1) 浄化槽は、使用開始と同時に生物処理が完全な定常状態になるわけではありません。流入負荷と微生物群が安定するまでの期間は、通常運転時とは分けて状態を読みます。
使用開始前に確認すること
(2) 環境省の維持管理ガイドラインでは、使用開始直前に、実施設と届出書類、周辺状況、槽内、流入汚水量、各装置の作動、管きょの流れ、臭気対策などを確認してから運転を開始する考え方が示されています。
(3) 使用開始時には種汚泥添加の必要性を検討します。種汚泥の要否・投入方法・量を、すべての型式に共通する固定条件として扱いません。
成熟していく過程
(4) 接触ばっ気方式では接触材上の生物膜が形成・安定し、活性汚泥方式では必要な活性汚泥量や微生物相が整っていきます。初期には、透視度、SS、DO、pH、循環量、汚泥量などが安定運転時と異なることがあります。
管理上の注意
(5) 使用人数・水量・BOD負荷などの実際の流入条件が、設計条件と大きく違っていないか確認します。
(6) 初期の測定値1回だけで異常と断定せず、実流入条件、槽内状態、各装置の作動、管きょの流れ、生物膜・汚泥の状態、複数の水質指標を組み合わせて判断します。
(7) 原因を切り分ける前に、逆洗、汚泥引抜き、循環量・送気量を過剰に変更すると、成立途中の生物膜や活性汚泥を失うおそれがあります。処置は状態を確認して必要量に留めます。
(8) 具体的な立上げ期間、送気量、循環量、種汚泥量、管理目標値等は型式・使用条件で異なるため、対象型式の維持管理要領書や設計条件を優先します。
試験のひっかけ
「使用開始直後=通常時と同じ管理値」「値が悪い=直ちに大量の汚泥を引き抜く」といった判断は避けます。立上げ段階か、負荷異常・機器異常かを分けて考えます。
出典・参考
- 環境省「窒素除去型小型合併処理浄化槽、膜処理型合併処理浄化槽、中・大型合併処理浄化槽、単独処理浄化槽の維持管理ガイドラインについて」
https://www.env.go.jp/hourei/11/000288.html
※具体的な立上げ期間・設定値は型式・使用条件で異なるため、維持管理要領書を確認してください。