SS(浮遊物質量)とは
(1) SS(Suspended Solids、浮遊物質量)は、水中に浮遊・懸濁している粒子状物質を、所定のろ過・乾燥・秤量操作で質量濃度として表す水質指標です。
(2) SSは通常、mg/Lで表します。
(3) SSは、水中に溶解している物質の総量を表す指標ではありません。
(4) SSは粒子状物質の質量をみる指標であり、所定条件での酸素消費量をみるBODとは測定対象も原理も異なります。
環境基準で用いられる測定方法
(5) 環境省「付表9 浮遊物質量(SS)の測定方法」では、孔径1µmのガラス繊維ろ紙を用いて試料を吸引ろ過します。
(6) 同方法では、ろ過材を105~110℃で2時間乾燥してデシケーター中で放冷し、ろ過前のろ過材質量と、ろ過後に浮遊物質を含めて乾燥した質量との差を求めます。
(7) ろ過乾燥後のろ過材+浮遊物質の質量をa、ろ過材の質量をb、試料量をV mLとすると、SSは (a−b)×1000/V(mg/L) で求めます。
(8) したがって、このSS測定は粒子による光の散乱・透過を直接読む濁度測定ではなく、ろ過して捕集した物質の乾燥質量を量る重量法です。
透視度・濁度との関係
(9) SSが増えると一般に濁りが増したり透視度が低下したりすることがありますが、粒子の大きさ・形状・色などによって見え方は変わるため、SS・濁度・透視度を同一量や固定換算関係として扱いません。
浄化槽での読み方
(10) 汚泥やスカムなどの粒子状物質が処理水側へ流出すれば、放流水のSSを上昇させる要因になります。
(11) 放流水SSが高い場合でも、原因を汚泥流出の一つだけに即断せず、採水条件、沈殿・分離状態、流量変動などと合わせて確認します。
環境基準と浄化槽法定検査の区別
(12) SSは、日本の生活環境の保全に関する環境基準で、河川や湖沼の水質項目として類型別の基準値が設定されています。
(13) 公共用水域のSS環境基準は、その水域で維持することが望ましい環境上の条件であり、その数値をそのまま個々の浄化槽の放流水合否値として用いるものではありません。
(14) 現行の国の第7条・第11条法定検査で原則とされる水質検査項目にはpH、DO、透視度、残留塩素、BOD等が掲げられていますが、SSはその水質検査項目には列挙されていません。
他タグとの責務境界
suspended-solids: SSの定義、粒子状物質としての意味、BODや溶解成分との違いを扱う。water-quality-index: DO・pH・透視度・SV等、SS以外の既存水質指標のlegacy原本を当面保持する。SSの旧anchorは除去し、Q6007もsuspended-solidsへ移管済み。wastewater-characteristics: 生活排水を有機物・SS・窒素・りん等の複数軸で見るという性状全体の整理を扱う。bod: 生物分解可能な有機物による酸素要求を扱う。sludge-management: 汚泥そのものの管理・移送・貯留等を扱う。
試験での見分け方
- 「SSは溶解している物質の総量」→ 誤り。浮遊・懸濁する粒子状物質を対象とします。
- 「SSは濁度計で光学的に測定する」→ 誤り。環境基準のSS測定はろ過・乾燥・秤量です。
- 「SSと濁度・透視度は固定換算できる」→ 誤り。測定原理が異なります。
- 「河川のSS 25mg/L以下を全浄化槽の法定検査合否値として使う」→ 誤り。公共用水域の環境基準と浄化槽法定検査は制度が異なります。
- 「SSが高ければ必ず汚泥流出だけが原因」→ 誤り。汚泥流出は重要な原因候補ですが、他条件も確認します。
出典・参考(2026-08-31確認)
- 環境省 付表9 浮遊物質量(SS)の測定方法(1µmガラス繊維ろ紙、105~110℃乾燥、重量差による算出)
- 環境省 別表2 生活環境の保全に関する環境基準(河川)(SSの類型別環境基準と付表9による測定)
- 環境省 別表2 生活環境の保全に関する環境基準(湖沼)(湖沼のSS環境基準)
- 環境省 浄化槽法第7条及び第11条に基づく浄化槽の水質に関する検査の項目、方法その他必要な事項について(現行の原則的水質検査項目)