透視度・透明度・濁度とは
(1) 透視度は、採取した試料を透視度計に入れ、底部の標識を識別できる限界の水柱の高さで表す指標で、値が大きいほど試料が澄んでいることを示します。
(2) 透明度は、湖沼や海域などで透明度板(セッキー円板)を水中に沈め、円板を識別できる限界の深さを測る代表的な水域観測指標です。
(3) 透視度と透明度はどちらも水の見通しやすさに関係しますが、試料を筒に入れて測る透視度と水域内で円板の見える深さを測る透明度は測定方法も尺度も異なります。
(4) 濁度は、水中の微粒子などによる濁りを透過光や散乱光などの光学的応答として評価する指標です。
(5) 浮遊物質量(SS)が同じでも粒子の種類や大きさによって濁度は異なり得るため、濁度とSSを同一量として一意に換算することはできません。
(6) 一般に濁りが増えると透視度や透明度は低下し濁度は上昇する方向を示しますが、これらは測定原理が異なるため厳密な逆数関係や同一尺度ではありません。
浄化槽の法定検査における透視度
(7) 第7条・第11条検査の透視度は、現行通知でJIS K 0102-1の8に掲げる器具及び試験操作方法に基づき、必要に応じ50cm又は100cmの透視度計を用いて検査します。
(8) 法定検査の透視度試料は、消毒槽、消毒室又は消毒タンクに入る直前の処理水を採取します。
(9) 法定検査の水質試料は、流水状態で採取します。
(10) 法定検査通知の透視度の「望ましい範囲」は、浄化槽のBOD処理性能に応じて異なります。
| BODの処理性能 | 透視度の望ましい範囲 |
|---|---|
| 90 mg/L以下 | 7度以上 |
| 60 mg/L以下 | 10度以上 |
| 30 mg/L以下 | 15度以上 |
| 20 mg/L以下 | 20度以上 |
(11) 水質検査結果が通知の望ましい範囲に入らないことだけをもって、直ちに浄化槽の設置又は維持管理が不適正と判断されるものではありません。
(12) 法定検査の最終判定は、外観検査、水質検査及び書類検査の結果を総合的に勘案して行います。
試験での整理
- 「透視度」と「透明度」は名称が近いですが、同じ器具・同じ尺度の測定ではありません。
- 「濁度」と「SS」はともに濁りと関係しますが、濁度は光学的指標、SSは浮遊物質の質量濃度であり別の量です。
- 「透視度20度以上」は全浄化槽共通の絶対基準ではなく、BOD処理性能20mg/L以下の場合に通知が示す望ましい範囲です。
- 透視度だけで処理状態の適否を確定せず、他の水質項目や外観・維持管理情報と合わせて読みます。
出典・参考(2026-08-31確認)
- 環境省「浄化槽法第7条及び第11条に基づく浄化槽の水質に関する検査の検査内容及び方法、検査票、検査結果の判定等について」の一部改正について(令和8年1月8日環循適発第2601082号)
https://www.env.go.jp/recycle/jokaso/law/pdf/r080108_1_tsuuchi.pdf
- 環境省「浄化槽法定検査判定ガイドラインについて」
https://www.env.go.jp/hourei/11/000239.html
- 国土交通省 関東地方整備局 江戸川河川事務所「水質用語集:透視度」
https://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/study/woodbook/woodbook/item01/tousido.htm
- 国土交通省 関東地方整備局 江戸川河川事務所「水質用語集:透明度」
https://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/study/woodbook/woodbook/item01/toumeido.htm
- 環境省「化学物質と環境」用語集「濁度」
https://www.env.go.jp/chemi/kurohon/2005/common/glossary.html