窒素除去型浄化槽で、BODは前回と大きく変わらないがT-Nが上昇した。処理水のアンモニア態窒素は低く、硝酸態・亜硝酸態窒素が多く残っている。好気側DOは対象型式の通常範囲にある一方、脱窒側DOは前回より高く、循環ポンプは作動音があるが実循環量は未測定で、炭素源条件も未確認である。硝化不良・脱窒不良の診断として最も適切なものはどれか。
解説
問題全体の補足
判別軸は、T-N高値を一括して『窒素除去不良』とせず、窒素形態から硝化側と脱窒側を分けること。アンモニア態窒素が低くNOx-Nが残る場合は、脱窒側の無酸素条件、循環実量、炭素源・流入条件を優先して確認し、対象型式に沿って調整後の窒素形態とT-Nを再確認する。参照 —— JOK-MA-034では、T-N高値等を見たときに、まずアンモニア態窒素が残る「硝化側の不良」と、アンモニア態窒素は低いが硝酸態・亜硝酸態窒素が残る「脱窒側の不良」を分けます。そのうえで、水温、DO、pH・アルカリ度、汚泥量・SRT等の生物保持条件、循環実量、炭素源・水素供与体、流入負荷・水量、阻害性流入等を対象方式に応じて確認します。(→窒素除去型浄化槽(70)) アンモニア態窒素が多く残る場合は硝化不足を、アンモニア態窒素が十分低下している一方で酸化態窒素が残りT-Nが高い場合は脱窒不足を優先して疑います。ただし窒素形態の一時点だけで原因を確定せず、前後の工程、水質推移、運転条件と照合します。(→窒素除去型浄化槽(71)) アンモニア態窒素が低く酸化態窒素が残る場合は、脱窒側の無酸素条件、硝化液循環、利用可能な有機物・水素供与体、流入条件、撹拌・水流等を確認します。硝化が成立している所見を、さらに好気化すべき根拠とはしません。(→窒素除去型浄化槽(75)) 原因候補を絞った後に、空気供給、汚泥管理、循環量、pH・アルカリ度管理、炭素源・水素供与体、流入条件等から必要な操作を選びます。硝化側と脱窒側で方向が逆になる操作もあるため、複数の設定を理由なく同時に最大化しません。(→窒素除去型浄化槽(80)) 調整後は、アンモニア態窒素、亜硝酸態・硝酸態窒素、T-N等の窒素形態・最終性能と、DO、pH・アルカリ度、水温、循環実量、汚泥・生物膜状態等の関連条件を再確認し、変更内容と結果を記録します。(→窒素除去型浄化槽(81))
関連する用語・解説
項目を選ぶと、その物質・法令・分類の一覧や解説ページを開けます。解説付きの項目には解説記事があります。
関連問題
- 同じ分野: 浄化槽の点検・調整及び修理(保守点検) 活性汚泥方式の保守点検で、前回よりMLSSが上昇し、SVと沈殿槽の汚泥界面も増加傾向にある。一方、ばっ気槽中央のDOは1.2mg/Lで、直近は余剰汚泥の引抜量を減らしていた。活性汚泥槽の運転管理として最も適切なものはどれか。 →
- 同じ分野: 浄化槽の点検・調整及び修理(保守点検) 接触ばっ気槽で、左側は気泡と水流が強い一方、右側は気泡が弱く水流も乏しい。ブロワは運転しており、強い側で測ったDOは確保されているが、左右の空気配管・バルブ開度・散気管の状態は未確認である。散気状態と空気量の調整として最も適切なものはどれか。 →
- 同じ分野: 浄化槽の点検・調整及び修理(保守点検) 汚泥移送用のエアリフトポンプで、揚水管内には気泡が見えるが、移送先への汚泥移送量が前回より少ない。ブロワは運転しているが、エアリフト用空気弁、空気配管、揚水管内の閉塞、槽内水位、移送先水位は未確認である。エアリフトポンプの点検として最も適切なものはどれか。 →
- 同じ分野: 浄化槽の点検・調整及び修理(保守点検) 浄化槽の保守点検の法的位置づけと標準的な進め方に関する記述として、最も適切なものはどれか。 →
- 同じ分野: 浄化槽の点検・調整及び修理(保守点検) 保守点検で複数の測定・観察結果から処理状況を判断する方法として、最も適切なものはどれか。 →