湖沼の富栄養化と栄養塩の物質循環に関する記述として、最も適切なものはどれか。
難易度: 標準
最終更新日: 2026-07-08
解説
問題全体の補足
富栄養化は、外部からの栄養塩負荷だけを一方向に追うのではなく、水域内での分解・無機化・再利用も含む物質循環として理解する。ただし、内部循環を富栄養化の唯一の原因とせず、外部負荷と内部負荷を区別する。根拠 —— 植物プランクトン等の死骸や排せつ物に含まれる有機物は、分解者の働きなどによって分解・無機化され、窒素・りん等が再び生産者に利用できる栄養塩の形へ戻ることがあります。一般的な「生産者・消費者・分解者と物質循環」の考え方は ecosystem-material-cycle で扱います。(→富栄養化(21)) 湖内で生じた有機物が底泥へ堆積した後、分解等によって窒素・りんなどが水中へ再び供給されることがあります。このような水域内部からの栄養塩供給は、植物プランクトン等の増殖を支える側へ働くことがあります。(→富栄養化(22)) 流域から生活排水等として入ってくる外部負荷と、底泥からの溶出や湖内での生物生産等による内部負荷を区別します。また、水域内の栄養塩が分解・無機化・溶出・生物による取り込み等を通じて再び利用される内部循環も、外部から新たに入る負荷とは別の過程です。内部循環は「栄養塩が何もないところから新しく生まれる」という意味ではありません。(→富栄養化(23)) 富栄養化の試験上の本線は、外部からの過剰な栄養塩負荷によって一次生産が増えることです。一方、既に水域へ蓄積した栄養塩の内部循環・底泥からの再供給は、富栄養化の状態が持続したり、改善を遅らせたりする要因になり得ます。「内部循環だけが富栄養化の唯一の原因」とは考えません。(→富栄養化(24))
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