好気性処理と嫌気性処理

最終更新日: 2026-08-28

好気性処理と嫌気性処理

(1) 好気性処理は、水中の溶存酸素を利用できる条件で好気性微生物の働きを利用する生物処理です。

(2) 嫌気性処理は、分子状酸素を利用しない条件で嫌気性微生物の働きを利用する生物処理です。

(3) 好気性処理では、必要な酸素を供給するためにばっ気を行う方式が代表的です。

(4) 浄化槽の接触ばっ気槽では、ブロアでばっ気しながら接触材に付着した好気性微生物によって有機物を処理します。

(5) 浄化槽の嫌気ろ床槽では、ろ材による固形物の分離・貯留に加えて、嫌気性微生物による有機物分解が行われます。

(6) 嫌気性処理は有機物分解のための酸素供給を必要としないため、好気性処理のようなばっ気動力を必要としません。

(7) 嫌気性処理でばっ気が不要であっても、移送・撹拌など処理設備全体の動力がすべて不要になるとは限りません。

(8) 一般に嫌気性処理は好気性処理より微生物の増殖収率が低く、余剰汚泥の発生量が少ない傾向があります。

(9) 嫌気条件では、微生物群と基質・環境条件がそろうとメタン生成が起こることがあります。

(10) すべての嫌気性処理でメタン生成が同じ程度に起こるわけではありません。

(11) 嫌気条件では、硫化水素を生成する微生物が働く場合があり、臭気や腐食の原因となることがあります。

(12) 嫌気性処理であること自体が、常に強い臭気が発生することを意味するわけではありません。

浄化槽での組合せ

嫌気ろ床接触ばっ気方式では、前段の嫌気ろ床槽と後段の接触ばっ気槽を組み合わせます。嫌気・好気を単純な優劣として覚えるのではなく、それぞれ異なる条件と役割をもつ処理として理解します。

他タグとの責務境界

  • aerobic-vs-anaerobic: 酸素条件、ばっ気、余剰汚泥量の一般傾向、嫌気条件で生じ得るガス・臭気、浄化槽内の代表的適用槽を扱う。
  • anaerobic-methanogenesis: 加水分解・酸生成・メタン生成など嫌気性分解の段階反応とメタン生成量論を扱う。
  • JOK-OV-018: 硝化・脱窒と「無酸素」条件、炭素源、アルカリ度を扱う。
  • JOK-OV-021: 硫化水素・アンモニア等の臭気物質、発生源診断、換気・抑制対策を扱う。
  • ST/MA: 嫌気ろ床槽接触ばっ気槽の構造、機器、点検・調整を扱う。

覚え方・ひっかけ

  • 好気・嫌気の違いは、まず分子状酸素を利用する条件かどうかで判定する。
  • 嫌気性処理を「必ずメタンが大量発生する処理」と同義にしない。
  • 嫌気性処理はばっ気が不要でも、設備全体の動力がゼロになるとは限らない。
  • 「嫌気性処理は必ず悪臭が強い」という絶対表現も避ける。

出典・参考(2026-08-28確認)

好気性処理と嫌気性処理に関する問題