MLSS・MLVSSとは
(1) MLSS(Mixed Liquor Suspended Solids、混合液浮遊物質)は、活性汚泥の混合液中に含まれる浮遊物質の質量濃度をmg/Lで表す指標です。
(2) MLVSS(Mixed Liquor Volatile Suspended Solids)は、MLSSを構成する浮遊物質のうち強熱減量として把握される成分で、概ね有機性浮遊物質を表します。
(3) MLSSには微生物由来以外の有機物や無機性固形物も含まれるため、MLSSを生きた微生物の質量そのものとはみなしません。
SSとの違い
(4) SSとMLSSの違いは主に測定する試料と用途です。 SS(Suspended Solids)は水試料中の浮遊物質量を表す一般的な水質指標であるのに対し、MLSSは活性汚泥法のばっ気槽・反応タンクの混合液(mixed liquor)中に含まれる浮遊物質の質量濃度を表し、主に運転管理に用います。
(5) MLSSはSSとは別の粒径区分を意味する名称ではありません。MLSSの「ML」は Mixed Liquor(混合液)を示し、SSとの区別では粒子径の大小よりも、どの試料を測っているかを押さえることが重要です。
測定の考え方
(6) MLSSは、ばっ気槽等の代表的な混合液について浮遊物質を捕集し、乾燥後の質量を試料量で割って質量濃度として求める重量法の考え方で測定します。
(7) MLVSSは、MLSSとして捕集した固形物の強熱前後の質量差から揮発性成分を求める考え方で測定します。
(8) MLVSS/MLSSは、混合液浮遊物質のうち強熱減量として把握される有機性浮遊物質の割合をみる指標です。
(9) MLVSS/MLSSは微生物量を推定する参考指標として利用できますが、生きた微生物の個体数や質量割合を直接測定した値ではありません。
SV・SVIとの違い
(10) SVは30分静置後の沈殿汚泥の容積割合をV/V%で表すのに対し、MLSSは混合液中の浮遊物質の質量濃度をmg/Lで表します。
(11) SVIはSVとMLSSを組み合わせ、単位汚泥質量当たりの沈殿容積として沈降性を評価する別指標です。
運転管理での読み方
(12) MLSSが高いという事実だけでは処理状態が良好とは判断できないため、DO、負荷、SV・SVI、処理水質等と合わせて評価します。
(13) 適正なMLSS濃度は処理方式や運転条件によって異なります。
(14) 環境省の運用通知は、合併処理浄化槽の長時間ばっ気方式及び循環水路ばっ気方式について、おおむね3,000~6,000mg/Lを適正なMLSS濃度の目安として示しています。
(15) 同通知は、標準活性汚泥方式及び分注ばっ気方式について、おおむね1,000~3,000mg/Lを適正なMLSS濃度の目安として示しています。
(16) これらの方式別目安を、すべての浄化槽に共通する単一の最適MLSS値や第7条・第11条検査の一律合否値へ一般化しません。
法定検査での位置づけ
(17) 令和8年1月改正後の法定検査通知は、合併処理浄化槽のSV評価で必要に応じてMLSSを測定し、汚泥外観や固液分離状況等と合わせて総合判断するよう示しています。
(18) 現行の第7条・第11条検査で原則とされる独立した水質検査項目の一覧に、MLSS及びMLVSSは列挙されていません。
試験での見分け方
- 「MLSSはSSより大きい粒子だけを測る別の粒径区分」→ 誤り。主な違いは試料で、MLSSはばっ気槽・反応タンクのmixed liquor中の浮遊物質濃度です。
- 「MLSSは30分静置後の沈殿容積率」→ 誤り。それはSVです。
- 「MLVSSは強熱後に残る無機物」→ 誤り。MLVSSは強熱で減少する側を基礎にした指標です。
- 「MLVSS/MLSSが80%なら、生きた微生物が正確に80%」→ 誤り。微生物量の参考にはなりますが直接計数ではありません。
- 「MLSSは高いほど必ず良い」→ 誤り。過度な高濃度にも運転上の問題があり、他の指標と合わせて評価します。
- 「3,000mg/Lが全方式の法定合否値」→ 誤り。方式別の運用目安と法定検査項目を区別します。
出典・参考(2026-09-06確認)
- 環境省 浄化槽法第7条及び第11条に基づく浄化槽の水質に関する検査の検査内容及び方法、検査票、検査結果の判定等について(令和8年1月8日改正)
- 環境省 浄化槽法の運用に伴う留意事項について
- 国土交通省 下水道への膜処理技術導入のためのガイドライン[第2版]
suspended-solids(SS重量法)sludge-volume(SV30)
※MLSSの方式別目安は対象方式を明記して用い、型式固有の維持管理値は認定図書・維持管理要領書を優先します。SVIの計算・バルキング評価はWQ-014 sludge-volume-index で扱います。Q6015は現在 mlss-mlvss を直接参照する問題として接続済みです。water-quality-index#mlss は既存参照互換の薄い索引anchorとしてのみ残します。