流量計・積算時間計

最終更新日: 2026-08-31

流量計・積算時間計とは

(1) 流量計は、配管や水路を流れる液体・気体などの流量を測定する計測機器です。

(2) 瞬時流量は、ある時点における単位時間当たりの流量です。

(3) 瞬時流量は、L/min、m³/hなど「量÷時間」の単位で表します。

(4) 積算流量は、測定開始又は基準時点から流れた量を累積した値です。

(5) 積算流量は、L、m³など「量」の単位で表します。

(6) 瞬時流量と積算流量は、同じ流量計に表示される場合があっても意味と単位が異なります。

(7) 積算時間計(アワーメータ、タイムカウンタ)は、機器が所定の状態で運転していた時間を累積して表示する計器です。

(8) 積算時間計は運転時間を測るものであり、液体の流量そのものを直接測定する流量計ではありません。

(9) 積算時間計は時間を累積表示する計器であり、設定時間に達したときに運転を開始・停止させるタイマーとは機能が異なります。

浄化槽で流量を把握する意味

(10) 環境省の維持管理ガイドラインは、流入汚水量及び循環液量を現場で測定することを示しています。

(11) 同ガイドラインは、測定した流入汚水量・循環液量等を記録することを示しています。

(12) 流量等の測定・記録は、施設の稼働状況や負荷状態を把握し、処理機能が正常に発揮されるよう保守点検するために用います。

(13) 流量等の測定・記録には、目的に応じた適切な精度を有する方法を用います。

(14) 流量調整装置では、移送水量を測定し、流量調整比が適正に保持されるよう調整します。

(15) 循環装置では、循環液量を測定し、循環比が適正に保持されるよう調整します。

(16) 環境省の維持管理ガイドラインは、機械・電気計装設備及び計測機器について日常点検と保守を行う考え方を示しています。

(17) 現行の浄化槽法定検査判定ガイドラインは、計測機器を内部設備の確認対象に含めています。

(18) 同ガイドラインは、ポンプについて揚水能力の低下や不足が処理機能へ与える影響を評価します。

(19) 同ガイドラインは、流入汚水量の過多・過少と処理機能への影響を確認します。

瞬時流量と積算流量の読み方

(20) 瞬時流量を見ると、その時点で毎分・毎時どの程度の量が流れているかを把握できます。

(21) 積算流量を見ると、ある期間に通過した累積量を把握できます。

(22) 期間移送量を積算流量から求める場合は、期間開始時と終了時の積算値の差を用います。

(23) 積算流量の途中でリセットが行われた場合、単純な終了値だけでは期間全体の累積量を表さないことがあります。

(24) 積算値を読むときは、表示単位と倍率を確認します。

(25) 瞬時流量の値をそのまま一日の総流量として扱うことはできません。

(26) 積算流量の値だけから、その瞬間の流量が多いか少ないかを直接判断することはできません。

積算時間計から移送量を推定する考え方

(27) 流量が一定とみなせる条件では、移送量は「流量×運転時間」で求められます。

(28) 積算時間計から移送量を推定するときは、対象期間を代表する平均的な実吐出量と運転時間を対応させます。

(29) 積算時間計から求める移送量は、実流量を直接積算した値ではなく、前提条件に基づく推定値です。

(30) カタログや銘板に示された代表吐出量・定格値を、実施設の実吐出量と無条件に同一視しません。

(31) ポンプの吐出量は全揚程との関係で変化し、メーカー性能曲線も吐出量と全揚程の関係を示しています。

(32) 吸込側・吐出側の水位が変われば実揚程が変わり、実吐出量が変化する場合があります。

(33) 配管抵抗が変われば、同じポンプでも運転点と実吐出量が変化する場合があります。

(34) 弁の開度や誤操作は実吐出量へ影響する場合があります。

(35) 配管・ポンプの閉塞や異物付着は実吐出量を低下させる場合があります。

(36) ポンプの摩耗や劣化により、実吐出性能が低下する場合があります。

(37) 積算時間から移送量を推定する場合は、必要に応じ実測、槽水位変化、流量計、既知容積への移送等、目的に適した方法で実吐出量を確認します。

(38) 「実吐出量×運転時間」の推定精度は、対象期間中の運転条件が実吐出量確認時の条件とどの程度一致しているかに左右されます。

(39) 運転中に流量が大きく変化する場合、単一の吐出量と積算時間だけでは正確な総量を求められません。

複数ポンプ・可変速運転

(40) 2台のポンプを交互運転する構成では、各ポンプの実吐出量と運転時間を区別して扱う必要があります。

(41) 2台以上が同時運転する構成では、同時運転時の系統流量が単機運転時の流量の単純倍数になるとは限りません。

(42) インバータ等で回転速度を変える運転では、運転時間が同じでも運転速度・揚程等により移送量が異なる場合があります。

(43) 複数ポンプや複数運転モードがある設備では、一つの積算時間値だけから設備全体の総移送量を一意に決められない場合があります。

(44) 複数機器の運転量を評価するときは、どの積算時間計がどの機器・運転状態を計数しているかを確認します。

積算時間計の表示・保持

(45) 積算時間計がどの信号又は運転状態を計数するかは、配線・制御方式によって異なります。

(46) 積算時間計が増加していても、ポンプが実際に必要量を揚水したことまでは保証しません。

(47) モータへの運転指令又は通電時間が記録されていても、閉塞、空運転、配管異常等があれば実移送量が不足することがあります。

(48) 積算時間計・積算流量計のリセット可否やリセット方法は機器によって異なります。

(49) 停電時に積算値を保持する方式や保持条件は機器によって異なります。

(50) パルス出力を積算する構成では、1パルス当たりの量などの係数設定を確認する必要があります。

(51) 時間計や流量計の表示単位、倍率、小数点位置等は機器設定によって異なる場合があります。

(52) 計器交換時は、旧計器と新計器の積算値を連続した一つの値としてそのまま比較できない場合があるため、交換時点の記録が重要です。

異常の切り分け

(53) 流量計が値を表示していることだけで、計器・配管・ポンプ・処理系全体が正常とは判断しません。

(54) 流量計がゼロを示す場合、実際の無流量だけでなく、センサー、電源、配線、設定、閉塞等も原因候補になります。

(55) 流量計の値が予想と異なる場合は、計器だけでなく実水位、ポンプ作動、弁、配管、流れの実態と照合します。

(56) 積算時間だけが増えている場合も、槽内水位の変化や実際の移送先への流入など、運転結果を確認します。

(57) 流量計と積算時間計の両方がある設備では、流量・運転時間・水位変化等を相互に照合すると異常検出に役立ちます。

(58) 計測機器では、汚れ、経年変化、センサー状態、設定等により指示誤差が生じる場合があります。

(59) 指示値の信頼性が疑われる場合は、機器仕様と目的に応じた点検・比較測定・校正等の方法を選びます。

型式・方式依存

(60) 浄化槽設備で用い得る流量計・計量方式には、電磁式、超音波式、面積式、せき・計量槽等さまざまな方式があり、施設により異なります。

(61) 必要な直管長、満管条件、センサー位置、接地、配管条件等は流量計方式・機種によって異なります。

(62) 流量計の測定範囲・精度・再現性等は機種と設置条件によって異なります。

(63) 積算時間計の計数単位、リセット、停電保持、入力信号等を全国一律仕様として扱いません。

(64) 流量計の方式、口径、レンジ、直管長、出力方式等をすべての浄化槽に共通する固定仕様として扱いません。

(65) 実施設の計測方式、単位、係数、流量レンジ、運転時間計数条件、ポンプ性能等は、認定図書、設計図、維持管理要領書、計器取扱説明書、ポンプ性能曲線等で確認します。

関連項目との境界

(66) 流量調整槽の容量・移送制御そのものは flow-equalization-tank で扱い、ここでは流量の測定・推定を中心に扱います。

(67) 水中ポンプの構造・空運転・閉塞等は submersible-pump で扱い、ここでは実吐出量と運転時間の関係を中心に扱います。

(68) タイマーや自動シーケンスは control-panel-timer-alarm、水位信号は level-control で扱います。

(69) 計器校正の具体的作業手順、電気計装の修理、安全措置はMA・safety側で扱います。

試験でのひっかけ

(70) 「瞬時流量と積算流量は同じ意味・同じ単位」は誤りです。

(71) 「積算時間計は流量を直接測る流量計」は誤りです。

(72) 「カタログ定格吐出量×積算時間で常に正確な移送量が出る」は誤りです。

(73) 「積算時間が増えていれば必要流量を確実に移送した」は誤りです。

(74) 「積算値の単位・リセット・保持・係数は全機種共通」は誤りです。

出典

流量計・積算時間計に関する問題