リン化合物・全リン
(1) 水質管理でリンを見るときは、どの形態のリンを測っているか、全リンとリン酸態リンを混同していないか、水相から汚泥・沈殿物へ移したリンを固液分離・引抜きで系外へ出せているかを確認します。リン除去を「リンそのものが消滅する反応」とは捉えません。
(2) 水中のリン化合物には有機態と無機態があり、さらに溶存性・粒子性の形で存在します。リン酸態リン(オルトリン酸態リン)は無機態リンの代表的な形態です。
(3) 全リン(T-P)は、リン酸態リンだけを指す値ではなく、水中に存在する各形態のリンを総量として評価する指標です。リン酸態リンが低いことだけを根拠に「全リンも必ず低い」とは判断しません。
(4) リンは生物に必要な栄養元素ですが、水域へ過剰に供給されると窒素等とともに藻類増殖や富栄養化を促す要因になります。
(5) 凝集によるリン除去では、リン酸態リン等をアルミニウム塩・鉄塩等の凝集剤と反応させて難溶性・粒子性の形へ移し、沈殿・固液分離しやすくします。薬品種、pH、添加量、混和・沈殿状態等が処理結果に影響します。
(6) 生物学的リン除去では、微生物によるリンの取り込みを利用し、リンを保持した余剰汚泥を引き抜くことで水処理系から除去します。脱窒のように窒素ガスへ変えて大気へ放出する仕組みとは異なります。
(7) 凝集や生物学的取り込みで水中から除去されたリンの多くは、汚泥・沈殿物側へ移ります。固形物の流出、沈殿・分離状態、余剰汚泥の引抜き等も合わせて見ます。
(8) 処理水の全リンが高いときは、リン酸態リンだけで原因を決めず、凝集剤注入、pH、混和・沈殿状態、汚泥流出、生物処理状態、汚泥引抜き等を組み合わせて確認します。リン酸態リンが低くても、粒子性・有機態リンを含む全リンが高ければ固液分離や汚泥流出の確認が必要です。
試験での見分け方
- (9) 「全リン=リン酸態リン」→ 誤り。
- (10) 「リンは脱窒と同様にガス化して大気へ除去する」→ 誤り。
- (11) 「凝集剤がリン元素を分解・消滅させる」→ 誤り。
- (12) 「処理水のリンが下がればリンを含む汚泥の管理は不要」→ 誤り。